昨今、「発達障害」という言葉をよく聞くようになり、「カサンドラ症候群」と名乗る人の数が増えているような気がしますが、自己判定する前に改めて考えていただきたいです。
カサンドラ症候群とは
カサンドラ症候群、カサンドラ情動剥奪障害とは、アスペルガー症候群の夫または妻(あるいはパートナー)と情緒的な相互関係が築けないために配偶者やパートナーに生じる、身体的・精神的症状を表す言葉である。 カサンドラ症候群とは(Wikipediaより)
定義が↑であるため、そもそも「アスペルガー症候群」のパートナーがいない人は「カサンドラ症候群」にはなりえません。もう一つ勘違いされやすいのは、「ADHDのパートナーの尻ぬぐいに疲れた妻」も同じくこれには該当しません。
そして、カサンドラ症候群だと判定するには「情緒的な相互関係が築けないために、身体的な症状や精神的な症状が出ている状態」であることが必要です。「ASDパートナーからの暴力や暴言が辛い」等もこれには該当しません。
なお、「カサンドラ症候群」の名称はアメリカ精神医学会の診断基準に含まれておらず、正式病名ではありません。これらの症状はアスペルガー症候群のパートナーを持ったことにより起こるので、関係性による「障害」であり、病名がつかないため「状態」や「現象」と呼ぶのが現在のところはいいとされています。
というわけなので、私が自分の状態をカサンドラ症候群だと思ったのももちろん医師からその診断がくだったわけではなく、自称なわけです。
私がカサンドラ症候群だと自称するわけ
私がなぜ自分をカサンドラ症候群だと思ったのかというと、何か一つの大きな出来事があったわけではありません。
ただ、日頃の生活から「夫はASDなのでは?」と思っていました。
というのも、私にはASDとADHDの診断がついている息子がおり、発達障害についてはかなりの猛勉強をしたので、「発達障害」についての知識が備わっていたためです。
夫と意思疎通ができない。同じものを見て感想を言い合うことができない。通じ合わない。一緒にいるのに孤独感を感じる。会話が弾まない。一方通行。無表情。・・・。
夫を発達障害の外来へ連れて行きました。案の定、ADHDとASDの診断がつきました。
気づいたときには私は夫に対してヒステリックに不満をぶつけるようになっており、ふとした時に涙が流れ出るようになっており、無力感でいっぱいになったり将来への不安に押しつぶされそうになっていました。夫とやり取りするたびに頭痛が起こり、定期的に扁桃炎で寝込みます。
どうすればうまくいくのだろう。とにかく調べ、あらゆる手段を試しました。
本もたくさん読みました。
そんな中で、『カサンドラ症候群』という言葉に出会い、とてもしっくりきました。救われました。
カサンドラ症候群ではないかもしれない人へ
- 旦那はASDだけど、よく考えたら私の悩み事は「情緒的な交流ができないことによるもの」ではないかも・・
- なんかやりとりがうまくいかないけど、旦那はASDではない・・・
- 私に精神的にまたは身体的に、何か影響が出ているわけではない・・・
そんなあなたは、『カサンドラ症候群』ではないかもしれません。
『カサンドラ症候群』というキーワードから一度離れてみて、本当の原因はどこにあるのか、自分の目指したいものは何なのか、もう一度考えてみても良いかもしれないです。
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