「カサンドラ症候群」という言葉を、ネット上やSNSでもよく記事を見かけるようになりました。
私がこの言葉にたどり着いたのは数年前ですが、ここ最近「カサンドラ症候群」という言葉が少し気になる広まり方をしているような気がします。
なので、ここでもう一度「カサンドラ症候群の定義」と「それを抜け出す方法」について、考えてみたいと思います。
カサンドラ症候群とは
カサンドラ症候群/カサンドラ情動剥奪障害の定義
具体的な症状の例として、偏頭痛、体重の増加または減少、自己評価の低下、パニック障害、抑うつ、無気力などがあります。
定義から外れている人
よって、下記の方々はカサンドラ症候群の定義からは外れています。
- パートナーがアスペルガー症候群(ASD)ではない人※
- パートナーと情緒的な相互関係が築けている人※
- パートナーとの情緒的な相互関係を希望していない人※
- 身体的や精神的な症状が出ていない人
※ここでの「パートナー」は、夫婦間や恋人間だけでなく職場環境や家族内における対象者も含む意味で使っています
このポイント、カサ抜けのヒントになりますね!
少し内容が重複しますが、関連記事です↓
時々見かける“カサンドラもどき”にご注意を!
“カサンドラもどき”が危険な理由2つ
1:本当の”カサンドラ”の辛さが軽んじられてしまう危険性があるから
カサンドラ症候群の状態は、とても辛くて孤独で、誰かの助けが必要な状態です。
”もどき”さんの異なった情報の拡散により、本当に苦しむ「真正カサンドラさん」の問題まで軽んじられて埋もれてしまうことが危険に思えてなりません。
2:誤った解釈の発信により、発達障害者の方との対立が起こってしまう可能性があるから
「発達障害のある方」VS「カサンドラ」ではありません。
”もどき”さんは、問題点を「発達障害者のせい」だと捉えがちですが、それは違います。
発達障害(ASD)のことを理解し、相手との情緒な相互関係を築こうと努力をしているからこそカサンドラ状態になるわけで、その経験と理解があれば「発達障害のせい!」とはならないと思います。
その誤った解釈を発信してしまうと、発達障害のある当事者さんが怒り出すのも当然です。
とはいえ、辛すぎて”もどき”の思考へ突入してしまう場合もあると思うので、そういう方はまずこちら↓を読んで「”発達障害が悪い!”ではない」を理解していただきたいです。
具体的な“カサンドラもどき”の事例
ADHDの尻拭いに疲れた人
ADHD夫がまた特性のせいで〇〇をやり忘れてる!
私がまた尻拭いしなきゃならないじゃないの!
毎回毎回本当に疲れる!
私、カサンドラだわ!!
モラハラ被害者
また怒鳴られた。
いつも怒鳴られる。
辛い。これ、カサンドラだわ。
ASD以外の要因で、なんかうまくいかない人
やり取りがうまくいかないのよ。
いくつも病院へ行ったけど夫にASD傾向は見られないって。
でも、意思疎通ができない。
私、カサンドラだわ。
とはいえ、辛いのは一緒
カサンドラではなくても、”もどき”さんも辛い思いをしていることは事実です。
でも、あなたの悩み事は「カサンドラです」と名乗るよりも辛さを正しく訴えたほうが解決に繋がると思います。
カサンドラ症候群の人は「共感してほしい」に飢えてるため、似たような現象に対して「わかる!」と言ってもらえやすかったり、共感を得やすい群であることは間違いないと思います。
ただ、逆にあなたのちょっとズレた「わかる!」がカサンドラさんを傷つけている可能性もあります。
そういう要らないモヤモヤを引き起こさないためにも、「カサンドラ」の定義を改めて確認し直してもらえればと思います。
私は実際に友達に夫の話をしたときに、「うちの夫はASDではないからそういう通じなさはないんだけど時々怒鳴ってくることがあって、私もカサンドラになりそうだよ~」と言われたことがあり、その場では流しましたが心はモヤモヤした経験があります。
「カサンドラ症候群なの」というのはかなり限定的な表現になります。
似たような症状が起こっていたとしても、原因によっては「適応障害っぽい」「PTSDみたい」「鬱かも」のほうが正しく伝わるかもしれません。
それぞれの悩みが解決に向かうことを祈ります。
「カサンドラ症候群」を抜け出すには?
さっき「ヒント」がありましたね
さて、ここで先ほどの「定義から外れている人」をもう一度確認してみましょう。
- パートナーがアスペルガー症候群(ASD)ではない人※
- パートナーと情緒的な相互関係が築けている人※
- パートナーとの情緒的な相互関係を希望していない人※
- 身体的や精神的な症状が出ていない人
要するに、これらを目指せば良いのです。
とはいえ、こちら側のコントロールが利く範疇は限られています。
「1」は無理ですね。(相手を変えれば可能ですが、ここではパートナーは変えない前提での話をします。)
目指すべきは「2」、「3」、そして「4」です。
具体的にどうしたら良いのか
「3.パートナーとの情緒的な相互関係を希望していない人」になる!
・・・難しいですよね。
「情緒的な相互関係を諦めよう」という寂しい意味合いよりも、「他の方法で相互関係を深めよう」という考えのほうが良さそうです。
私も現在いろいろ模索中。
でも、一番つらかった時期からは抜けていて、だいぶ落ち着きました。
このあたりを発信していけたら良いなと思っています。
「4.身体的や精神的な症状が出ていない人」になる!
これはそもそも自分の身体や心が健康でなければ叶いません。
栄養バランスのとれた食事、規則正しい生活、ストレスを溜め込まない等、基本的なことから取り組んでいくと、解決への近道になりそうです。
「2.パートナーと情緒的な相互関係が築けている人」になる!
ここまでくると、実はパートナーとの情緒的な交流を受け取れる土台ができてきます。
つまり、「受け取れない自分にも原因はあったのではないか」という視点が見えてきます。
今は無理だと思う。全部旦那さんが悪い!って思ってて良いです。そう思ってしまうのは、あなたが限界を迎えるほどに頑張ってきたという証拠です。
ただ、1つずつ丁寧に向き合うことで、「情緒的な交流が苦手なASD者と情緒的な交流がほしくてたまらないのに全くもらえなくていっぱいいっぱいなあなた」から「情緒的な交流が苦手なASD者とのほんの小さな情緒的な交流を大事に受け取れるあなた」になることができます。
何言ってるの?と思うかもしれませんが、私は実際に、情緒的な交流が壊滅的な夫と婚姻関係を続けながら情緒的交流不足で日々泣きながら体調を崩していた自分から抜け出せました。
「カサンドラ症候群」の辛さは計り知れないが、絶望的にはならなくて良い。
仲間がたくさんいる。幸せになる道はある。
と、信じて発信していきます。
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。